2019/06

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 鳥取の尾崎翠フォーラムを、ヤマザキ個人として離脱した。これまで浜野佐知監督と並んで「顧問」という身の丈に合わない立場を与えられていたが、離脱をきっかけに、フォーラムとタッグチームのように運営してきたHPを改編することにした。「尾崎翠参考文献目録」と、新設のこの「影への隠遁ブログ」の二本立てである。
「参考文献目録」は塚本靖代さんが強い意志を持って遺してくれたものであり、研究者ではないわたしには荷が重いのだが、協力してくださる方々を求めて拡充していきたい。ブログの「影への隠遁」が尾崎翠の「映画漫想」から引用していることは言うまでもないが、これまで一体感を持ってきた尾崎翠フォーラムや、兄事してきた土井淑平代表との訣別に当たって、わたしが非常に侘しい気分に陥っていることを反映している。土田九作の「地下室アントン」ではないが、わたしもまた「影」の世界へと降りて行こうというわけだ。

自画像

 しかし、その一方で、わたしが土井代表やフォーラムの実行委員会に大いなる憤懣を抱いていることも確かであり、これ以上共闘するわけにはいかないと判断して離脱するに至った。事は尾崎翠作品の再映画化を巡って生じたのだが、詳述すると泥仕合になるので、かいつまんで言うと、土井代表および実行委員から浜野監督に協力できないという否定的な見解が打ち出されたことによる。中には「映画製作などに関わるなら実行委員を辞める」という声もあったと明記されていたのには、タマゲタ。まだ何も始まっていないのに、最初から否定してかかるのはなぜか?
 ひとつは尾崎翠フォーラムもまた「男の組織」で、組織論やら運動論が先に立つという面がある。また、地元鳥取に住み、これからも長く住んでいく立場として難しい面もあるのだろう。しかし、これまでのフォーラムのほとんどのゲストの出演交渉や、ギャラの交渉まで担当してきた浜野監督に対して、映画製作が現実化した段階ならともかく、模索している今の段階で、どうしてバックアップの姿勢を快く示してもらえないのか、わたしには不思議でならない。「そりゃあ、ねえだろう」というのが、わたしの率直な感想だ。
 もちろん、わたしがムシの良いことを言ってるのかも知れない。ましてわたしは、これまで稲垣真美氏をシツコク論難し、稲垣氏を権威と奉る筑摩書房を批判し、鳥取在住の文芸評論家、内田照子氏とも山陰中央新報紙上で半ば罵倒し合った。ここで土井淑平代表や尾崎翠フォーラム実行委員会とモメルということは、わたしが札付きのトラブルメイカーであると考えると、きれいに氷解するのだが、果たしてわたしは「札付き」であるか?
 アイデンティティという言葉をよく聞く。わたしは「自分探し」など信じない。他人の視線の結節点に生じるのが「わたし」だろう。わたしは尾崎翠全集と花田清輝全集があれば、事足りる人間である。このブログで日記を書くつもりはなく、トラブル多き日常の中で、尾崎翠や花田の言葉を手がかりに考えたことを書き記し、誰が読むとも知れない空間に放置してみようと思う。その結果、わたしが「札付き」であることが証明されたら? これまでモメテきた皆さんに謝ろうかな。

沖縄の豚


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「苔」への愛情

(尾崎翠の主題・考) 一見したところ、こぢんまりした『淡い恋』の話しか、書かれていません。けど、尾崎みどりさんの小説には、実は恐ろしく考えさせられます。 まあ、僕が勝手に考えるだけですから、作者がそういうことを意図してはったんかどうかはこの際、どうで

  • いわいわブレーク
  • 2007/02/09 12:01 AM

「苔」への愛情(尾崎翠の主題・考)

一見したところ、こぢんまりした『淡い恋』の話しか、書かれていません。けど、尾崎みどりさんの小説には、実は恐ろしく考えさせられます。 まあ、僕が勝手に考えるだけですから、作者がそういうことを意図してはったんかどうかはこの際、どうでも好いと言えるかも

  • ナット君のお豆
  • 2007/02/08 10:14 PM