2017/03

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 すでに多くの人がご存知でしょうが、mixi(ミクシィ)という「ソーシャルネットワーキング」のサイトがあって、100万人以上の人が参加し、その中にテーマごとに作られた「コミュニティ」には、25万人以上が登録しているのだそうです。参加者は、そこで日記を書いたり、各コミュ(コミュニティの略)の掲示板に書き込んだりするのですが、「友人の招待」がないと、中に入れません。そこが、匿名書き捨ての「2チャンネル」などとは、根本的に違うところです。
 わたしもまた、薄々存在は知っていましたが、特に興味もなく、必要も感じていませんでした。なかには、「大衆食堂の詩人」エンテツさんのように、友達の友達は友達、というmixiのシステムに、露骨に嫌悪を示す人もいて、誰がやってくるのか分からない吹きさらしの荒野に、ひとり昂然と立つのだという、無頼派の意気を示す人もいます。さすが男伊達であるなあ、と感心しました。
 ところが、たまたま愛読しているサイト、世界中からバカげたトンデモ情報をピックアップしてくる「Weekly Teinou 蜂 Woman」(週刊低脳蜂女、という意味か?)のメルマガに登録していたら、主宰者の女性から、mixiに招待してもいい、という知らせがあり、それを機会に参加させてもらいました。
 もとより、日記を書くつもりはありませんが、実にさまざまなコミュがあるのには、なんだかワクワクしてしまいました。さっそく、「尾崎翠」と「花田清輝」のコミュに登録しましたが、翠は270人、花田は30人ぐらいの参加者で、二人に対する、現在的な関心の度合いが現われているようです。
 面白がって、いくつものコミュに登録しました。わたしのマイナー好みを反映し、人数の少ないところがほとんどですが、「大島弓子」コミュは、1900人近くの規模を誇って、書き込みも活発です。逆に、もっとも少なかったのが、できたばっかりの「フェチ研」で、わたしが参加した時には4〜5人だったのですが、最近では14人に増えています。フェチ現象に対して、研究的にアプローチしようという管理人(コミュの提唱者)の姿勢に共感しました。
 他に「カール・ハイアセン」(変てこな、アメリカのミステリー作家。今では、フェチ研より少ない13人)「ダーク・スター」(J・カーペンターの長編第一作。45人)「ジョン・カーペンター」(さすがに、700人近くいる)「英国美青年系映画」(20人ぐらい。わたしは、ルパート・エヴァレットや、ダニエル・D・ルイスのファンとして参加)「ブレンダン・フレイザー」(軟派ズッコケ美男男優で、80人もいた)などに登録しました。
 笑ったのが、つい最近参加した「匂いフェチ」コミュで、わたしも尾崎翠には遠く及ばないものの、匂いについては感じるところ多いのですが、正面きって「匂いフェチ」の看板を掲げられると、少々腰が引けます。しかし、コミュを、ちょっと覗いてみたら、なんと「大島弓子」コミュと肩をならべる、1800人ぐらいを擁し、書き込みがまた、センスの好い(とわたしが感じた)女性たちで溢れているではありませんか。すっかり嬉しくなって、即登録してしまいました。ここの書き込みも活発で、吹き出すような内容です。



 いや、今回わたしが、mixiについて触れたのは、個人的な経験を披瀝したいためではなく、実は、この「影への隠遁」ブログで、SOSを発信しようか、と考えたのです。というのは、思いつきで、コミュをひとつ、わたし自身が開きました。「花田清輝」コミュの書き込みが、それほど活発でないのを横目に、自分の好きな花田の名文句を、自慢しあうようなことはできないものだろうか、などと考えているうちに、自分でコミュを作って、そこで毎日、1フレーズずつ、ピックアップしたらどうか? と思いついたのです。
 コミュを作成するのは、手続きにしたがって、名乗りを上げればいいのですが、同じようなコミュに参加しながら、別にもうひとつ作るのは、ルール違反という気がしないでもありません。しかし「花田の文章、毎日引用」という、きわめて個人的なアイディアに酔ったわたしは、さっそく「清輝・断簡零墨、片言隻句」という、すぐには判読しにくいようなコミュを作成しました。面倒な漢語で、わたし自身も、辞書を引き、漢字を確かめなければならなかったことは言うまでもありません。
 わたしは、さっそく、いい調子で、誰にあてるでもなく、毎日書き込んでいたのですが、ふと気づいてみると、発足後の一ヶ月間に、誰もそのコミュに参加しなかった場合は、自動的に消滅するという決めがあったことを思い出しました。実際のところ、開始して2週間ほど経っても、参加者はまるでなく、登録しているのが、わたしのみ、という状態が続いていました。それは、そうだろう、と納得します。ただでさえ、花田の読者が少ないところに、花田の文章の一部分を、個人的な好みで拾ってきたのを、わざわざ読んでみよう、なんて酔狂なひとはいません。
 わたしは、その書き込み用に作った「1デイ×1フレーズ」というトピックの冒頭で、次のようなことを書きました。

「毎日、花田のフレーズをひとつピックアップするという「目標」を掲げました。経済困窮の結果か原因か、歌舞伎町のスポーツセンターのサウナで汗を流し、屋上のプールに浮かぶ以外、これといって決まった日課のない生活の中で、何か「目標」とか「義務」とか「強制」とか、そういったものが、わたしにもあって良いのではないか? たまたま偶然からmixiに参加することになり、さっそく花田清輝のコミュニティにも入ってみたのですが、ほとんど動きがありません。そこで、ひとつ自分で花田に取り組んでみようではないかと、だいそれた野望を抱いたわけです。果してどこまで可能か分かりませんが、パソコンがつながっている限りは試みてみましょう。」

 自問自答というか、まるで他人に呼びかける気のない、頭のおかしなオヤジがぶつぶつ独り言を呟いているようなものです。スポーツセンターも、目下住んでいるワンルームマンションの、お湯代が高すぎるという理由で、お風呂代わりに通っているのですが、こんなのを読んだら、わたしだって、まあ参加する気にはなれません。しかし、半月ほど続けてみると、これが消滅してしまうのは、個人的に困る。この際、ブログでSOSを発信し、それでも誰の参加も得られなかったら、「カニグズバーグをめぐる冒険」のやみぃさんにお願いして、サクラで登録してもらえないだろうか、などと考えていました(なんで、やみぃさんなんだ?)。
 そこに、不意打ちのように、参加者が現われたのですね。花田のエッセイのタイトルを、ハンドルネームにしている男性で、その方のつながりから、さらにもう一人、女性が登録してくれました。これで、登録者3名! めでたく自然消滅の危機は免れたのです。
 ですから、このブログでmixiについて書く必要はなくなったのですが、もし、すでにmixiに参加されている方があったら、気のむいた折りにでも覗いてみてください。実際、個人的なメモみたいなもので、花田読者以外にはまったく面白みのないものだと思われます。いや、花田読者にだって、面白くない?
 誤算は、自分が考えているほどには暇でなかったことですが、目下、深夜12時までには書き込もうと、シンデレラのような心境で、毎日を送っています。さて、いつまで続くことやら。ちなみに、記念すべき(?)第一回目にピックアップしたのは、次のフレーズでした。

「わたしは、ちと大きなことばかり、考えすぎていたようだ。」

〜「蝉噪記」(林達夫著作集4『批評の弁証法』平凡社71年。原題「解説」。花田清輝全集第14巻所収)


comment

塩チンへ。
「神楽坂警察署と文学(2)花田清輝襲撃事件」のファックス、届いた。有り難う。面白かった。佐々木光という人は、君が言うような「ボンクラ役人」ではなくて「神奈川近代文学館勤務」の、センスの好い研究者だろう。もっとも、君のことだから「公立の機関に勤めているから、役人」と決め付けているのかも知れないが。
しかし、君も言うように、幅広く文献を読んで、歴史資料にも当たり、誰に肩入れするでもなく、短文ながら、奥行きのある文章に仕上げている。ぼくには尊敬できる研究者だ。この柔軟さは、おそらく花田系の人だろう。求心的な吉本系(お笑いじゃないよ)は、こうはいかない。

 こちらこそ、いつもありがとうございます。ビシビシは、私には無理そうですけど、少しずつコツコツ続けていこうと思っています。
 今日、浜野佐知監督の『女が映画を作るとき』がサイト経由でまた一冊売れていました。嬉しかったです。(*^ - ^*) http://park.zero.ad.jp/yuyujp/book1/b-imp4.htm

やみぃさん、有り難うございました。こんな風にお願いできる人がいることは、心強いです。
カニグズバーグの改訳された本、アマゾンから届いたということは、自分で買われているわけですね。岩波書店は、問題提起者にまず送呈し、出来上がりについての意見を聞くべきではないのでしょうか? 外野から仄聞した限りでは、「権威ある」出版社に、徒手空拳で疑義を申し入れた「素人の一読者」に、ネットを通じての心無い中傷もあったようですが、恐らく岩波書店としては、やみぃさんは「いなかった」ことにして、自主的な判断で改訳を行ったという体裁を取りたいのでしょう。岩波の「権威」なんて、土台にカビの生えた「権威主義」でしかありません。エラソーな連中です。
 しかし、個人が出版界の現実(著名詩人の娘だから、能力がなくても翻訳の仕事を与えられる、同業者間の批判は、極力控える、業界のプチ天皇への批判は許されない、等々)を動かしたことは、画期的なことだと思われます。批判の手をゆるめず、ビシビシやってください。『ネバーランド』のご連載、楽しみにしています。

「ご招待状」ありがとうございました。さっそく登録して、皆さんのお話をながめています。

カニグズバーグ邦訳のこと. . . 。
岩波少年文庫の二作品、金原瑞人さんの翻訳チームが手を入れた『800番への旅』と『ティーパーティーの謎』が、アマゾンからようやく届きました。
どちらも、わだかまりの残ってしまった『エリコの丘から』の改版(04年)と比較すると、人物設定・言葉づかい・文体など、ずっと全面的に直されていて、
"素敵"です。──あくまでも「改版」であり、もとの訳文が基調ですから「最高に」とは言えませんが、それでも、物語としての愉しさや整合性も戻り、ほんとうに読みやすくなったと感じました。
今、嬉しいのと、ホッとしたのとで、ちょっぴり気抜けしています。
(これからどうしよう. . .)

もちろん、上記の三作品にしても少年文庫の改訂が済んだだけで、高価な「カニグズバーグ作品集」に収められた分の改版は未定。
また、作品集にはほかにも、『誇り高き王妃』『13歳の沈黙』『Tバック戦争』など、改訳のリクエストを考えている作品が残っていますので、
しなければいけないこと、まだまだたくさんあるのですけれど. . . 。

「やっぱり、まずはカニグズバーグさんに、この嬉しい報告をしなくちゃ」
というわけで、昨日は一日中、苦手の英作文をしていました. . . (笑)

今後とも、どうぞご指導のほどよろしくお願いします。──やみぃ

やみぃさん、すみません。変なところで、引き合いに出して。本当に友達、少ないんです。mixiの「招待状」お送りしました。

エンテツさん、「ナル」はともかく「フェチ」は、mixi、センスがいいとこ、ありますよ。先日は「階段フェチ」というのを見つけて狂喜しましたが、建築の専門的見地からアプローチしていて、参加ためらいました。も少し「エッチ」が含有されると、良いのですが。

塩山クン、そういえば、花田襲撃の現場は神楽坂だったね。ついでで好いから、コピー送ってくれないか。君にはたしか、誰かの花田論、貸したままになってるはずだ。忘れないようにね。
今月の締め切り、まかせてくれ!

mixiのお部屋……サクラではなくて、ときどき遊びに行かせていただけませんか?

  • やみぃ
  • 2005/10/16 12:57 PM

ははあ、おれんとこは、レモンクラブの捨て場所だったのか。ありがと、ありがと。まあ、コンニチの文化廃れる石原都内においては、レモンクラブの捨て場所もないだろう。

仲良しフェチナル(フェチズム&ナルシズム)同好会ミクシィするより、殴られながら生きるほうがいい。って、漫画屋のセリフのバリエーション。ま、とにかく、酒飲んでいるのがイチバン。

  • エンテツ
  • 2005/10/16 12:35 AM

 数日前、「書肆アクセス」で買った『神楽坂まちの手帖』10月号を、高崎の故・井上房一郎邸近くのの居酒屋、「いち蔵」で開いてたら、神奈川近代文学館勤務、佐々木光の連載、「神楽坂警察署と文学」2で、花田清輝襲撃事件が。未読文献の引用等もあり、ボンクラ役人の書いたモノとしては、割と上等の部類だったと。『レモンクラブ』の「初老男の勃起時」の原稿、遅れないように。尚、今月からエンテツ爺ちゃんにも同誌を送る事に。見本誌いつも残って捨てちゃうんだしよ。じゃあ。

  • 漫画屋・塩山芳明
  • 2005/10/15 11:18 AM









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