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 お気づきの方もあったかと思われるが、先日アップした「頑張れ、藤田東吾社長! 非時事的な男の色気に関する観察」と題した拙文を、翌日の24日、深夜に削除した。目下、話題の焦点である、耐震強度偽装事件だが、残念ながら、この片々たるブログに、どこからか「圧力」がかかったわけではない。「エロ漫画凶悪編集」(右のリンク参照)の『レモンクラブ』塩山編集長から、24日に、次のようなコメントが飛び込んできたのだ。

名前:塩の字
コメント: 原稿の二重売りはいかんよ。改稿しようが、そもそもウチの雑誌は来年一月の発売。貧乏で頭がおかしくなったか? 漫画家が商業誌に入稿後、その発売日前に一部加筆した同一原稿を、自らの同人誌に掲載、コミケに並べるのが許されると? 頭をもう一回剃って出直しな。



 貧乏云々は、余計なお世話だが、そうなのだ、確かにこの、偽装物件を景気よくパスさせた検査機関「イーホームズ」の藤田東吾社長が、窮境にあって無意識的に醸し出している、微妙な色っぽさについて論じ、遥か彼方からエールを送る一文は、ブログにアップする前々日の21日に、『レモンクラブ』のコラムの原稿として、塩山編集長にファックスで送ったばかりのものが、ベースになっていたのだった。
 その旨は、文末に明記し、倍ぐらいの量に加筆したが、藤田社長に「萌え」る心情を綴ったセンテンスは、そうは変えようがない。実のところ、『レモンクラブ』に掲載した原稿を、ブログに収録する場合は、6ヶ月ぐらいの間隔を空けるという、塩山編集長との事前の約束があったのだが、わたしとしては、警視庁の強制捜査が関係各社に入った、この時期に、訥弁ながら、すべてをあからさまにしようと努力する藤田社長を、エロ漫画のコラムでも支持し、ブログでも重ねて表明したいという(先方には迷惑だろう)思いが先行してしまったようだ。ただ、コミケの同人誌のように販売するわけではなく、はたして「二重売り」という指摘は当たるのか? という気持ちもあって、次のようなコメントを返した。

名前:kuninori55
コメント: ご指摘の通りだが、藤田東吾社長にエールを送るのに、これ以上遅いタイミングでは、意味がないように思われた。まあ、個人的なブログで何を書こうが、現実的な効用があるわけでもなく、まして、検査体制の問題点をイマイチ理解できないわたしが、エールを送ること自体、間違っているような気がしないでもないが、とりあえず表明したいと考えた。もう少し『レモンクラブ』の原稿と違うものになるかとも思ったのだが、枝葉を付け足しただけに終わったようだ。そちらの原稿を別のものにすれば良かったのだが、目下の最大関心事に心を奪われた。反省している。頭は毎日剃っているが、そういう意味ではない。



 この時点で、いったん記事を引っ込め、新しく書き直すべきかという考えも、頭の隅をよぎったのだが、藤田社長への毀誉褒貶は、ネットの世界でも渦巻いている。その多くは否定的なものであり、しかしわたしは、2チャンネルの掲示板のスレッド「藤田東吾FC」に、爆笑ものの女言葉で書き込む、おそらくは男たちである、彼らとの連帯を、表明したかったのだ。
 彼ら、あるいは彼女たちは「毎朝、東吾タンのネクタイを、結んであげたいわ」とか「参考人招致の時の、左側上方45度の角度からのカメラが、東吾のベストショットね」などと、熱く語っているのだが、もっとも、このスレッドには、「藤田社長は正義派ぶっているが、自社の検査のズサンさの責任を取ろうとしていない」とか、「疑惑の構図の一環であるにもかかわらず、告発者を気取っている」とか、キビシイが、真っ当な批判も、多く書き込まれている。
 長い付き合いで承知している、塩山編集長の性格上、これを機に『レモンクラブ』の連載打ち切りも有り得ないことではなく、わたしには唯一の定期収入が断たれることになるわけだが、その場合は、しかし、やむを得ないだろうと観念した。ところが、さらに塩山から、追い討ちのコメントが舞い込んできたのである。

名前:塩の字
コメント: 口先の反省は無用。早く原稿の差し換えを。いくら自らのブログとは言え、発表後四ヵ月位、つまり掲載雑誌の返品確定まではこういう真似するなと、元編集に説教するのも馬鹿臭いが。加えて、あんたにゃ同一の材料で違う料理を作る才能がない。そこが残念(イカす嫌みでげしょ? 我が業界用語じゃ、体位を変えるとも言う)。これから二重売り原稿掲載誌の下版する、善良な初老編集の気分に思いを馳せよ。



 確かに「初老」となって、塩山がいくらか親切になっているのは間違いないが、はなはだ癇にさわるイヤミを繰り出してくる、レトリックは健在である。この種の技術は、ジジイになればなるほど、冴え渡ってくるものかもしれない。もっとも「体位を変える」という業界用語とやらが、わたしには意味不明だが、それはわたしがエロ本業界を離れて久しいせいか。しかし、これから印刷に向かって下版するコラムが、すでにブログに書き込まれていて、なおかつコラムには原稿料が発生するという事態は、わたしが編集でも馬鹿馬鹿しいに相違ない。
「きっこのブログ」は、この事件の黒幕を、以前から暴露して人気があるが、誰が書いているのか特定できない、このブログにも、藤田社長はメールを出し、最初に偽装を発見した設計士への疑惑などを開陳している。いかにも素人っぽくて、どこか危なっかしい、藤田社長の必死の反撃を応援しようという気持ちで、わたしは思わず知らず、舞い上がっていたのだろう。
 ここに至って、わたしは先とは別の意味で観念し、塩山編集長の指摘どおり「差し換え」ることにした。



「現在進行形の経済事件の、一方の当事者である藤田東吾社長が、自分の主張や、知りえた事実のすべてを、インターネットで公開し、TVに出演しては、難しい法律問題を、何とか誰でも分かるように概説しようとして、多くの場合、冷ややかな視線を浴びている。これは、しかし、そうとう珍しい光景ではなかろうか。ヒューザー社長は、すべてを明るみに出そうとする藤田東吾社長に対して、恨み骨髄であり、来るべき新会社を「建築確認検査被害者同盟」みたいな名前にしたいと発言するなど、標的として狙い定めているようだ。
 すでに、元請けの設計会社の社長が、不審な死を遂げ、まさか藤田社長もまた闇に葬られることはあるまいと思われるが、彼の死に物狂いの努力は、いっさいムダに終わるかもしれず、そうとう困難な、これからの人生が予想される。絶対的な窮地に陥りながら、目の前の敵と、精一杯戦いつつ、時に、痛々しかったり、どこか間抜けに見えたり、無防備な姿を、ありのまま、さらけ出している藤田東吾社長。わたしたちは、そんな彼に、見かけ上のハンサムを越えたハンサム性や、ひどくセクシーなものを感じてしまうのだ。頑張れ、東吾社長!」

 これは、引っ込めたブログの結語の部分であり、『レモンクラブ』の原稿にはなかったはずのものである。「同一の材料で違う料理を作る才能がない」わたしは、塩山編集長のコメントという、毒々しいスパイスを得て、異なる風味の料理を試みたが、これはしかし、精一杯の負け惜しみにしか見えないだろうか。
 なお、「イーホームズ」のHPの藤田東吾社長の書き込みと、「ヒューザー」のHPの「イーホームズ」に対する質問書、ならびに、それへの回答を読み比べると、なかなか興味深いものがあります。

*イーホ−ムズHP
http://www.ehomes.co.jp/index.html
*ヒューザーHP
http://www.huser.co.jp/



comment

耐震偽装事件から今年で10年。この事件を調べていてこちらの記事を拝見しました。藤田さんはURL記載のフェイスブックに近況を書いています。再活動を始めたみたいですよ。

建つ三介さま
 治安の充分に危なさそうなモスクワからカイロに留学して、数週間で帰って来てしまうという、カイロのヤバさ加減が窺えて、愉快なエピソードです。アレキサンドリアでも、カイロはこんなものじゃない、という話を何度も聞きました。初めて行くと、混乱の極みのように感じるようですね。カイロ空港の、まだ外に出ない内側で、現地人にパスポートを騙した取られたらしい日本人カップルを目撃しました。
 貴ブログの藤田省三氏に関する、次のご指摘、「覚悟を決めた、自分をも関数の一変数とみなす普遍的立場に身を置く時、その時「神」が宿る、そういった質の高い「孤独」を大事にしろ!というのが藤田氏の一貫したメッセージだと思っています。」
 大変すがすがしく拝読しました。わたしはまったく読んだことがないのですが、最初の『尾崎翠全集』を出した創樹社の玉井編集長から、この企画が持ち込まれたのは藤田省三氏によるものだということを聞いています。それを私物化して、筑摩書房に持っていったのが、わたしの天敵、稲垣真美ジジイでした。

>アレキサンドリアで、・・女性のいる店に飲みにいこうという誘いは、断固として断りました。

賢明なご判断ではないかと存じます。
やしきたかじんのように、身包み剥がされてたかも
知れませんものね。

モスクワからカイロに留学した知り合いは、数週間でまた
モスクワにご帰還、「麻薬売人が多すぎる」と言って。
危険がいっぱいです。

建つ三介さま
 コメント有り難うございます。引っ込めた奴は、いずれ再掲載したいと思っていますが、シオヤマの言うとおり、変わり映えしないものかもしれません。
 貴ブログの、ロシアでのウォッカ強盗事件の顛末、シミジミと拝読しました。実に有り得ることだと思い、わたしにそこまでの体験がないのは、ひたすら小心さゆえだと断言できます。公園で誘われた異国のアンチャン二人と、酒を飲みに行く度胸は、とてもありません。アレキサンドリアで、国禁のビールを売っているヤバそうな店を、路地裏に探し当てたりしましたが、女性のいる店に飲みにいこうという誘いは、断固として断りました。

  • kuninori55
  • 2006/02/13 10:56 PM

僕も藤田君を支持します。
楽しいお話、有難とさん。
その記事いずれ、ここでも再掲載
出来るんでしょ? 

らら星さま
 mixiの「花田コミュ」を、一番最初に応援して頂いた、お二人のうちの一人である、らら星さんに大笑いして頂けるのは、とっても嬉しいです。「東吾社長=花田式のサンチョ・パンザ説」は、なるほど興味深いです。そういえば、ヒューザー社長は、旧式のドン・キホーテみたいに見えないこともありませんでしたが、証人喚問では、見せかけだけの、張りぼてドンキ・ホーテだったことを、みずから暴露しました。
 ここでも、花田を引用してしまうと、
「私は、イスパニアの理想主義が、ドン・キホーテによって代表される時代は、すでに終ったと思うのです。率直に申しますが、私は、かれにかわるべき人物として、私の夫を推薦したいと考えます。転形期とは、脇役が主役となり、家来が主人になるような時代ではないでしょうか。(中略)ドン・キホーテの愚行を残らずみてきたかれは、その動機が、いかに英雄的なものであるにせよ、日常生活と関係なく行なわれる闘争というものが、単に無益であるばかりではなく、有害でもあるというということを身をもって知っていたわけです。」(「テレザ・パンザの手紙」)

「物書き」については、エロ漫画誌のコラム書きが、はたして「物書き」といえるかどうか分りませんが、シオヤマのおかげで、十数年、細々と書き続けてはいます。職業として成立していませんが、だったらピンク映画の監督や脚本が職業として成立しているかと言えば、これもしてなくて、おかげで誰かに、仕事や職業を尋ねられると、いつもモゴモゴと曖昧に口を濁してしまいます。初老のオッサンとしては、はなはだ困ったことです。

  • kuninori55
  • 2006/01/28 9:22 AM

今更のコメントで大変恐縮ですが、職場にて
心の中で大笑いしながら読んでしまいました。

こんな楽しい(?)見方があったのですね。
さすがにkuninoriさんです。

>絶対的な窮地に陥りながら、目の前の敵と、精一杯戦いつつ、時に、痛々しかったり、どこか間抜けに見えたり、無防備な姿を、ありのまま、さらけ出している藤田東吾社長

これは、花田が描くサンチョパンザを彷彿とさせられました。
なるほど〜〜感心するとともに、kuninoriさんがなぜ花田コミュを続けているのかについても、ちょっとわかった(?)ような。
kuninoriさんは物書きでらっしゃるのですね。
とまあ、いつものことながら中身の薄いコメントしか書けずすみません。

  • らら星
  • 2006/01/27 10:46 AM

先日の証人喚問で、ヒューザー小嶋社長の証言拒否に対し、われらが東吾社長が、まことに憮然とした表情で、「恥を知らないと言うか」とコメントしていたのには笑いました。正面からのカメラは、あまり色っぽくはありませんでしたが、真面目な人ですね。田舎芝居の役者のような小嶋社長と、真実一路の東吾社長の対比はもちろんのこと、耐震偽装のメンツは、なかなか役者がそろっています。あの頭が禿げながら、眼光鋭い木村建設の東京支店長と、すっかり意気消沈していたシノケンのイケメン社長の対比も可笑しい。一件落着したら、一座を組んで、全国興行の旅に出たらどうでしょうか。
 しかし、その後の参考人招致で登場した自民党の若手議員のバカっぷり、なかでも女性議員の無内容には驚倒しましたが、民主党の下条みつとかいう、女名前みたいな議員の、蛇のような表情と神経に触る言葉づかいには、すっかり毒気を抜かれました。人気の馬淵議員も、整髪料で固めた髪形が、なんだか変だし。

『ミゝズク通信』、届きました。ありがとうございます。
大らかで、温かくて、恐くて、めっちゃおもしろい、です。
──畑中純さん、お若いころからすごかったんだなぁ. . . (感嘆のため息)

> シオヤマを好きになるのは、考えものではないでしょうか。
はい。でも、もう好きになっちゃったので、どうか止めないでください。
『嫌われ者の記』、古本屋さんで探してみようと思いますが、
復刊ドットコムでも、↓ リクエスト本になっていたので、一票♪
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=19528
できたら、新しい本で読みたいです。

  • やみぃ
  • 2005/12/30 10:19 AM

なぜだろう、下の丸坊主の実用記事に、英文のコメントが、しつこく、くっ付いてくる。削除すれば、しただけ、また自動的に復元する感じだ。ほっといたら良いのだろうか。しかし、なぜ丸坊主にだけ寄ってくる?

やみぃさん、有り難う。せっかく頂いたコメントを、下の丸坊主の記事に、何故かしつこく何種類もくっ付いてくる、英文のコメントを削除する際に、いっしょに削除してしまいました。幸い、メールで来るコメント通知に残されていましたので、慌てて、それをコピーして再掲載しました。おかげで行替えがおかしくなっていますが、我慢して下さい。なんなんだろう、あの英文のコメントは。一度だけクリックしたら、英語のサイトに飛んだのですが、気持ち悪いので、そのたびに削除しています。しかし、丸坊主の記事にだけやってくるのは、何かが呼んでるのでしょうか?
今回の見出し、確かに東吾社長に、エールを送るわけにはいかない事態が生じたようにも、読めますね。わたしが甘かったのですが、シオヤマを好きになるのは、考えものではないでしょうか。「愛されて死ぬよりも、憎まれて生きる方がマシ。」が、人生のモットーであるような男ですから、嫌ってあげた方が喜ぶような気もします。もっとも、「愛されて、生きる」選択肢が掲げられていないのは、最初から愛されることを断念しているのか、それとも、愛されたらメロメロになってしまって、態度の取りようがなくなってしまう自分を恐れているのか、微妙なところです。シオヤマの考えることは、よく分かりませんが、自著の『嫌われ者の記』(一水社)をホメてくれた評論家や作家の本は、出るたびにせっせと買うような律儀なところもあるので、案外後者の可能性がないでもありません。
やみぃさんの「カニグズバーグをめぐる冒険」連載第5回(『ネバーランド』)まだ落ち着いて拝読していないのですが、ヒロイン論や、乳ガンに対するスタンスなど、大変興味深いものです。自分で、もう一回考えてからメール差し上げたいと思います。


ああ、おかしい〜♪
最初、「…エールを引っ込める」というタイトルに、藤田東吾さんに何かあったのかと、
ドキッとしました。記事を差し換えるということだったんですね、ホッ。
昨日のもでしたが、今日のも楽しいです。──わたしは、すっかり塩山編集長のことを好
きになってしまいました。『レモンクラブ』買おうっと。

  • やみぃ
  • 2005/12/26 2:47 PM









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