2018/11

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 08年の格別に暑い夏、浜野組作品の上映が相次いだ。それも『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』『百合祭』『こほろぎ嬢』と続く自主制作作品の一挙上映など、エポック・メイキングな上映会が続いた。ついには、締めくくりの神戸アートビレッジセンターの上映の際に、神戸新聞の記事中「伝説の監督」という称号まで現れた。まるで回顧上映みたいな様相に「私はまだ終わったわけではない」と浜野佐知は吠える。



 熱い夏の火蓋を切って落としたのは、鶴ヶ島市(埼玉県)で6月21日〜22日の両日にわたって上映された『映画監督浜野佐知の仕事』だ。21日の夜に『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』、22日の午後に『百合祭』、夕に『こほろぎ嬢』と、「一般作品3本一挙上映!」という浜野組にとっても初のイベントだ。
 これは「男女共同参画週間鶴ヶ島市ハーモニーふれあいウィーク」の特別イベントとして行われたもの。「ハーモニー」は同市の女性センターの名称でもある。上映会場になったのは、東武東上線若葉駅東口のショッピングモールのシネコン「シネプレックスわかば」。一週間にわたって開かれる「ふれあいウィーク」のオープニングイベントが、上映に先立って行われた。



 このオープニングイベントは「わかばウォーク」の4周年記念とも連動し、市民によるブラスバンドの演奏や、男女共同参画的な寸劇、「ふれあいウィーク」に参加するサークルの紹介などが行われた。女性グループばかりかと思ったら、案外に中高年男性のサークルが多く、阿波踊りの連まであって、女性センター「ハーモニー」の活動の幅の広さがうかがわれる。



 わたしヤマザキが勝手に「藤縄・レジェンド・善朗」市長と呼ぶ鶴ヶ島市の藤縄市長。川越高校のレジェンドとして語り継がれる武勇伝があるらしいが、男女共同参画週間に浜野佐知作品一挙上映という恐れを知らない企画が実現したのは、この市長の存在が大きかった。首都圏にこのような型破りの市長がいることは心強い限りである。



「ふれあいウィーク」実行委員長の清水さん。映画上映のために「つるがしまフィルムパートナーズ」という組織が作られ、前売り券の販売に奔走した。おかげで『百合祭』は完売となり、当日入場制限する事態にー。実行委員長の清水さんも3作品の前売り券を買っていたのには頭が下がった。



 男女の意識のギャップを啓蒙する寸劇がいくつも披露され、藤縄市長も役者として登場。休日に家でゴロゴロしている親父役を、アドリブを交えて好演した。しかし、どの寸劇も典型的な会話のやり取りなため、客席のおじいさんが「今どき、あんなこと言わねえよ」と呟いていた。男女共同の意識は、鶴ヶ島市ではかなり根付いているのだろう。ちなみに、目下男女共同参画条例を鶴ヶ島市では準備中とか。



「シネプレックスわかば」の入り口脇にデカデカ貼られた「映画監督浜野佐知の仕事」のポスター。トイレにも貼り出され、浜野監督は、この日ばかりは場所と時間限定の有名人となった。



「シネプレックスわかば」入り口。角川映画系列のシネコンで、浜野組作品がシネコンにかかるのはこれが初めてだ。『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』は岩波ホールで上映されたが、その後の『百合祭』や『こほろぎ嬢』はホール上映や単館系の映画館ばかり。さすがに画質、音質ともに素晴らしく、わたしは『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』を見ながら、今日の観点に立ったデジタル再編集を夢想した。



 浜野佐知作品と『インディー・ジョーンズ』が並び立つ。珍しい光景だ。『百合祭』のポスターには「完売」のお知らせが。



 上映に引き続き行われた『百合祭』トークショーで、ご機嫌の浜野監督。



 トークショーの会場を、右隅から見守るのは蝦名支配人。この人の存在によって「映画館と市民と行政のコラボレーション」が成立した。



『こほろぎ嬢』の上映後に「わかばウォーク」のホールで開かれた交流会。浜野監督の手前は、佐田三五郎&土田九作役でお馴染みの宝井誠明くんだ。彼は両日にわたって参加してくれた。クラシックなハンサム! 尾崎翠の世界に欠かせない役者だと、わたしは確信する。



 交流会の司会の西山千恵子さん(女性学)。浜野監督とは旧知の仲だ。



 う〜ん、ハンサムだねえ。以前からCMの仕事も多い宝井くん。TVを注視していると、思いがけないところで出会うことがある。



 初の3作品一挙上映! を終え、意気あがる浜野監督。



 左から清水実行委員長、市役所の怪人ヒライさん、女性センター館長の中野さん、西山千恵子さん、蝦名支配人。市長も市長なら、職員も職員で、個性的な人が多い。実は今回「一般作品3本一挙上映」だけでなく、有志の間で「セクシュアリティを考える会」が組織され、浜野監督のピンク映画も申し込み制で上映されたのだ。西山さんは上映後のディスカッションでも司会を務めたが、女性限定の上映会なので、残念ながらわたしも参加できなかった。



 今回の3作品上映を「映画祭」と位置づけ、シネコンとの共同作業や外部との連携、マスコミや地元メディアへのPR、さらにはHPやブログと、獅子奮迅の働きをした市役所の宮崎さん。実はチラシやポスターも彼のデザインなのだ。鶴ヶ島市には有能な人材がゴロゴロしている。



 受付などをボランティアで担当してくれた「チームちえこ」の面々を、宮崎さんが紹介する。その名の通り西山さんの教える(教えた)学生や卒業生たちだ。



 何か訳のわからない恰好をする浜野監督。多分、締めの挨拶のときだと思われるが、さて何を話していたのだろう。こうして記念すべき2日間は終わった。


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