2017/08

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 昨日は午後1時過ぎから本町館で、太田耕耘キ氏司会の舞台挨拶に参加した後、京都シネマに回って、午後3時30分から尾崎翠研究者・森澤夕子さんを迎えてのトークという慌しい一日だった。

ところが、本町館が京都新聞に出している広告に、浜野監督の舞台挨拶は明日という告知が載る代理店のミスが発生し、再度今日、同じ時間に舞台挨拶をやることになった。
劇場への電話の問い合わせには、昨日だけという返事をしているため、今日どれほどの人が集まるか分からない。しかし、昨日の広告を信じた人のために、急きょ連日のピンク映画トークとなった。

また、今回の拙作『美尻エクスタシー 白昼の穴快楽』を、わたしも劇場で観てみたい。そこで来週28日(水)午後7時からの回に、大田氏といっしょに観た後、希望者を募って本町館周辺で酒でも飲むことになった。数寄者のご参加を望みます。

京都シネマでは、昨日は『こほろぎ嬢』上映の後にトーク、そして『百合祭』上映と続いた。今日は『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』(新編集版)の後に、鳥取の翠フォーラムの土井淑平代表がゲストで登場する。そして、その後『こほろぎ嬢』上映と続くが、2本目の作品を観るお客さんも、その前のゲスト・トークに参加することが出来ますので、早めにお出でください。

昨日の森澤夕子さんを迎えてのトークには、わたしも参加したが、半数以上は尾崎翠を読んでいない(おそらくは京都シネマの常連の)お客さんたちで、今観せられた映画は、いったい何だったのだ? というマジマジ顔で迎えられ、参った。
尾崎翠の面白さを言葉で説明しようとすると、いまだに舌が空転するような思いに捕らわれる。だんだんお客さんの眼差しがキツク、非難しているように思われてきて、明日からの動員のために奮戦する浜野監督や、女性研究者の多い現状などを誠実に話してくれた森澤さんの横で、わたしは何となくひとり落ち込んだ。

夜は、10月にクランクインする『百合子、ダスヴィダーニヤ』の主人公、湯浅芳子が育った京都のお茶屋さんの世界が、如何なるものであるのかレクチャーしてくれようと、東京から某教授が駆けつけてくれた。先生は京都に赴任していた時代があって、祇園に慣れ親しんだらしい。
たしかに浜野監督もわたしも、京都の粋な世界にはまったく無縁で、芳子が洋風好みの百合子に対して、自分の生まれ育った和風の世界を対置しても、そこで語られる「お茶屋遊び」を具体的にイメージすることはできなかった。



案内されたお茶屋の女将さんが「ダスヴィダーニヤ」という言葉を聞いて、さっそく別のロシア語で返してきたのにはビックリ。ロシアで数年間、お茶屋とは別の堅い仕事をしたことがあるのだという。
舞妓さんに興味深いお話を聞かせてもらった後、踊りを見せてもらう。こういう世界が確かにあるのだという実感に浸ることができた。

踊りを披露して頂いた座敷に、わたしの敬愛する作家、富士正晴直筆の額がかかっていたのにも驚いた。富士さんがこのお茶屋で遊んだ後、先代の女将さんに所望され、その場で描いたものだという。文人らしい闊達な書画だ。
冨士さん主宰の著名な同人誌『バイキング』には、久坂葉子や高橋和巳も所属していたが、高橋和巳もまたこのお茶屋さんに通い、借金の弁明の手紙なども残っていたらしい。



このお茶屋さんを辞した後、元・芸妓(芸子)の80数歳の方が50年近く経営しているバーに案内される。かつての祇園の世界について多くのことを聞き、心から驚倒する。

時に辛く、時に愉快な出会いの多い一日だった。


comment

>半数以上は尾崎翠を読んでいない
>(おそらくは京都シネマの常連の)>お客さんたちで、今観せられた映画>は、いったい何だったのだ? とい>うマジマジ顔で迎えられ、参った。

>時に辛く、時に愉快な出会いの多い>一日だった。

まさしく何年か前、尾崎翠をそしてヤマサキ&ハマノを知らなかった春声@のまじまじ顔と通低する京都の映画観客だと感じます。
”映画は解り易くあるべきだ”との思いは短絡に過ぎると最近思っています。魅力をいかに自分で見出そうかとする意図的な姿勢も必要でしょう。
苦しみの後にひときの京都の夜の楽しさも充分感じられます!
芸妓さんのきれいな写真を撮影したりするヤマサキさん、&高橋和巳の名前を久し振りに読めたりの私!

福岡に一抹の危惧恐れ入ります。
11月甘棠館出来るだけやります。
>自分、大丈夫か?   春声@

  • 春声@
  • 2010/07/25 11:18 AM









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